ロサンゼルスで非弁活動を行っていたジョージ・タカハシ氏を追放しました。

既に2か月ほど経ちましたが、The State Bar of California(カリフォルニア州弁護士会)のウェブサイトに、「State Bar Seizes Gardena Practice for the Unauthorized Practice of Law(州弁護士会が非弁活動を行っていたガーデナの事務所を差し押さえた)」というニュース記事が出ました。 

 

上記ニュース記事に私の名前が登場しますが、どうやら私の通報が今回の追放劇の契機になったようで、私としても備忘のために記録を残しておきたいと思います。 

 

1年半ほど前、所属事務所に離婚の相談を持ち込まれた方がいらっしゃいました。所属事務所はカリフォルニア州にありますが、その方は日本在住の方でした。訳あって、カリフォルニア州での離婚手続が必要になっていたのですが、日本生まれ・日本育ちの方で、英語は堪能でないことから、日本語で相談できる法律事務所を探していたということでした。

 

お話を聞いて行くと、既に専門家(らしき人)に相談していたという経緯が分かり、それがジョージ・タカハシ氏が運営する「アメリカ法律相談」という事務所であることが分かりました。

 

クライアントはタカハシ氏が弁護士であると思い込んで相談をしていたらしく、私も、立派なウェブサイトを見て、弁護士なのだろうという印象を受けました。ただ、ウェブサイトを見ても、どこにも「弁護士」という表記がない。州弁護士会の弁護士検索のページから検索を掛けてみたものの、ヒットは無し。タカハシ氏は、離婚案件等の法律相談を受けていると謳っていましたし、クライアントにも離婚手続なら●ドルと提案していましたので、非弁であることは明らかでした。

 

単なる非弁で被害が出ていないのなら見過ごしても良かったところなのですが、実は、タカハシ氏が、受任もしていないにもかかわらず、不適切な対応を取ったせいで、クライアントが不利な立場に置かれてしまっていました。タカハシ氏を追放してもクライアントの立場が有利になるわけではないことを知りつつも、許せない気持ちが収まらなかった私は、州弁護士会に通報することを決めました。

 

クライアントの同意を得た上で、タカハシ氏の不適切な対応等をまとめて州弁護士会の窓口に提出しました。具体的に何かが動くことはあまり期待はしていませんでした。しかし、申立てから数か月経ったところで、州弁護士会お抱えの弁護士から、「調査を始めているので追加情報が欲しい」という連絡がありました。本当に動いてくれているんだと喜びながらも、結局限界があるだろうと半信半疑で追加の陳述書等を作って提供していたのですが、最後の陳述書を提供してから1か月も経たないうちに、上記のニュース記事が発表され、非常に驚きました。

 

日本では、なかなか弁護士会が裁判所に申立てを行って事務所を差し押さえる(営業停止の仮処分のようなイメージでしょうか)ことは難しいだろうと思います。アメリカの弁護士会の自治・力に関心させられました。

 

また、上記ニュース記事を見た弁護士や個人の方から連絡もいただきました。弁護士資格なく離婚手続の代行等を多数行っていたようなのですが、処理が杜撰で、被害に遭われた方(お金を払ったのに何も成果が得られていない方や、むしろ状況が悪化した方等)がたくさんいらっしゃるそうです。お困りの方がいれば、是非ご相談ください。

 

なお、ロサンゼルスの弁護士に言わせれば、「彼はゴキブリのような人間なので、時間が経ったら名前を変え、涼しい顔でまた非弁をやってるでしょう」とのことです。皆さま、くれぐれも非弁業者にはお気を付けください。

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