カリフォルニア在住のお客様

自信自身が望んでいなくても、法的問題に直面することがあります。日本語でも聞きなれない専門的な法律用語や手続に戸惑うことと思います。それが母国ではないアメリカだったら、母国語ではない英語だったら、その戸惑いは計り知れないでしょう。

 

日本にいれば日本語で相談できる弁護士はたくさんいますが、外国にいると簡単ではありません。仮に第二言語として日本語を話す弁護士がいたとしても、日本で生まれ育った環境や文化が違うと、日本人からすると、違う感覚を持っているなと感じざるを得ない場面が少なからず出てきます。

 

私は、2012年に日本で弁護士登録をした後、都内で、会社に関連する案件のみならず、民事訴訟、相続、不動産、離婚、交通事故、刑事、少年事件等、幅広い分野の案件を取り扱ってきました。日本で生まれ育った、日米の弁護士資格を持つ弁護士です。気さくさと人当たりの良さ、レスポンスの早さが特徴です。もちろんネイティブの日本語でご相談できますので、お気軽にご相談ください。

 

カリフォルニア州アーバインを拠点にしていますが、電話やオンライン(Zoom等)でのご相談を受け付けていますので、お住まいの場所に関係なくご相談いただくことが可能です。

 

以下に代表的な事例を挙げましたが、法律問題に直面したときには、是非一度ご相談ください。言語や文化的背景を共有する日本人弁護士に相談できることが安心材料になることは、一度ご相談いただければお分かりになると思います。

背中を合わせ腕を組む男女

離婚

日本人の方からよく相談を受けるのが、離婚です。

離婚案件で特に多いのは、日本人とアメリカ人が結婚してカリフォルニアに住んでいて、離婚することになったが財産分与、婚姻費用、養育費等について当事者間で合意ができていないケースです。

日本とカリフォルニア州は、離婚に限らず、法律や規制に違いがある部分が多くあります。大きな違いとして挙げられる代表例は、婚姻費用です。日本では、婚姻期間中にしか支払義務が発生しません(離婚が決まれば、それ以降の支払義務はなくなります)。しかし、カリフォルニア州では、日本における婚姻費用と同じ性質を有するSpousal Support(通称Alimony)は、離婚後にも支払義務が継続します。これは日本法とカリフォルニア州法のどちらを適用するかで、夫婦間の権利義務に大きな違いを生じさせます。

もう1つ挙げられる例として、養育費があります。養育費が滞納された場合、日本では、養育費を請求する側(子どもを養育している親)が、回収するための手続(交渉や強制執行手続等。養育費の金額が決まっていなければそのための交渉や調停も)を取らなければなりません。相手方の財産の在りかが分からないと、それも調査しなければなりません。自分自身で全ての手続や調査をするのは限界があるので、弁護士に依頼することは多く、肝心の養育費が弁護士費用分減ってしまうことになりかねません。
一方、カリフォルニア州では、チャイルドサポートサービス(Department of Child Support Service)という行政機関があり、養育費の回収手続を代行してくれます。養育費の金額が決まっていない場合には、そのための裁判提起や法的主張をしてくれるので、弁護士に依頼しなくても養育費は確保できるのです。また、カリフォルニア州では、養育費を滞納していると運転免許証を停止させられる等のペナルティも用意されていますので、日本に比べ、養育費の回収は実現しやすい制度が作られています。

【より詳しく知りたい方は、以下のオンラインマガジンをご覧ください】

カリフォルニア州では、日本のような離婚届による協議離婚は存在しません。当事者間が離婚に合意しているケースであっても、必ず家庭裁判所に離婚申立てをして、判決によって離婚を認めてもらう必要があります。

また、海を超えた結婚で問題になり得るのが、子どもの連れ去り問題です。カリフォルニア州では、離婚をしても共同親権が原則なので、仮に親権を有していたとしても、一方の親権者の同意を得ずに国外に出る行為は許されていません。ハーグ条約に基づく申立てがなされるとカリフォルニア州に連れ戻されることになる可能性もありますし、国際親子誘拐罪法という連邦法で国際誘拐罪とされています。一時帰国や海外旅行をする際にはご留意ください。

このように、日本とは手続が異なる場面や、国際案件だからこそ直面する問題が多くあります。1人で長く悩む前に、是非一度ご相談ください。

業務内容

相続

生前のエステートプランニング(遺言・トラスト・POA等の作成)から、相続開始後のプロベートや遺言執行・信託管理まで、幅広い範囲で対応が可能です。

祖父母と家族写真

相続も、日本とカリフォルニア州とは多くの点で異なります。

まず、日本には戸籍と住民票の制度がありますので、誰が相続人で、その相続人がどこに住んでいるかというのは、比較的簡単に調べることができます。一方、カリフォルニア州には戸籍も住民票もありませんので、相続人の存在や所在を調べるのは容易ではなく、色々な情報を頼りに調査していくしかありません。相続人を調査するための業者もいるくらいです。

カリフォルニア州では、遺言が残されていたとしても、必ず、家庭裁判所にプロベートと(日本でいう遺言検認手続)を申し立てなければなりません。日本では、遺言検認手続が必要になるのは自身で保管していた自筆遺言の場合だけです(公正証書遺言や、自筆遺言でも法務局に預けていた場合には、裁判手続は不要です)から、手続が大きく異なります。

上記のとおり、カリフォルニア州では、誰が相続人かを公式に確認する手段がありませんので、プロベート手続の中で「●●さんが亡くなったので、●月●日、●●裁判所で、プロベート手続が行われます。」という情報を新聞に掲載することで、自身が相続人かもしれないという人に、裁判手続に参加する機会を与えることにしています。なので、誰でもプロベート手続が開かれることを知れますし、そのプロベート手続自体も公開されていますから、どのような遺言が残されていたのか、遺言の対象となっている財産にどのようなものがあるかという情報も、公になってしまうのです。有名人が亡くなったときに「私は隠し子だ」と手を挙げる人が多く出るという笑い話があるのも、このためです。

このプロベート手続は、情報が公開されるだけでなく、手続を終えるのに時間がかかります。多くの人は、これを避けるためにトラスト(信託)を作ります。

また、自身で財産や健康に関する判断ができなくなったときに備えてPOA(Power of Attorney。日本でいう委任状)を作るのも一般的です。日本では、このような場面に対処できるのは後見人制度で、家庭裁判所での手続が必要になりますから、ここも大きく違います。

以上の遺言・トラスト・POAを用意して老後に備えておくことを、エステートプランニングといいます。アメリカでは一般的な老後・相続対策で、多くの弁護士が取り扱っています

日本に財産(銀行口座や不動産)をお持ちの日本人の方は、もう1つ気を付けなければならないことがあります。カリフォルニア州で遺言やトラストを作っても、日本での名義変更の手続が非常にややこしくなるということです。日本の財産については、日本法に従った方法で公正証書遺言を作るようにしてください。総領事館の領事が公証人の職務を行えます(民法984条)ので、カリフォルニア州にいても公正証書遺言の作成が可能です。

私は日本の弁護士資格も有しており、日本で多くの相続案件を取り扱ってきましたので、日本法に基づく手続についても豊富な知見を有しています。日本人ならではの「気になるポイント」や留意点についても熟知していますので、是非一度ご相談ください。

業務内容
ガベルと書籍

刑事

刑事事件も多く相談が寄せられるケースの1つです。中でも、DUI(飲酒運転)とDV(ドメスティックバイオレンス)が多いように思います。

DUIは通常、夜間、何らかの事情で車両の停止要請を受けることによって発覚します。呼気検査等で血中アルコール濃度0.08%以上の数値が出ると、まず逮捕されることになります。日本では逮捕・勾留期間中の保釈は認められていないのですが、カリフォルニア州では認められているので、迅速に必要な手続を取って保釈金を納付すれば、翌朝には拘置所から出て来れるということも少なくありません。保釈金や保釈補償業者(Bail Bondsman)等、慣れない手続が多くありますので、非常に戸惑うことになろうかと思います。


カリフォルニア州は、アメリカの中でも、家庭内暴力に対して非常にセンシティブな州と言われています。警察官は、DVだと被害を訴える通報を受けたら、かなりの高確率で逮捕に踏み切ることになると思います。「Zero Tolerance」(僅かな違反であっても決して容赦しないということ)と言われており、些細な夫婦喧嘩であっても、暴力的な行為の可能性が覚知されたら、逮捕されると思ってください。


逮捕や保釈の後は裁判になりますが、アメリカでは、司法取引をして罪の軽減を求めることが一般的です。そのためには、裁判に出頭して対応し、DA(District Attorney。日本でいう検察官)と交渉をしなければなりませんので、弁護士の存在は必須でしょう。


刑事事件に巻き込まれたときには、もちろんその処遇自体も心配ですが、VISAと滞在資格への影響も非常に心配されることと思います。最近では、特にDIUで逮捕された場合には(有罪確定ではなく、逮捕です)、自動的にVISAが取り消されることになっています。カリフォルニア州に滞在する資格を当然に失うものではなく、国外に出ない限りは問題なく、強制送還させられるわけではありませんが、仕事や学校との関係では大きな問題なるでしょう。VISAや滞在資格に関する相談もお受けすることができますので、ご相談ください。

業務内容
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